小さなカラダは寒さに弱い
犬や猫に較べると身体も小さいウサギやハムスターは、それだけに自ら発熱して体温を温存するのが得意ではありません。それでもウサギはまだ寒さには強いほうですが、ハムスターに至ってはあまりに寒さが厳しくなると低体温症(擬似冬眠)してしまいます。
それぞれにしっかり寒さ対策をほどこしてより長生きさせましょう。
109:ウサギは寒さに強い?
雪の上をぴょんぴょん跳ねる野ウサギの映像があるように、ウサギは極端に寒さに弱いわけではありません。
ただ、厳しい環境下に慣れていて、さらに運動することで体温を上げているからこそあの銀世界でも生きていけるわけで、室内飼いでケージの中でじっとしているウサギは当然強く寒さを感じています。
それでも10度以上気温があれば、問題はありません。10度を下回る場合はウサギにも寒さ対策をしてやりましょう。
生まれて間もないウサギや高齢、病気のウサギはそれ以上の温度であっても温かくする必要があります。
110:ウサギのケージを防寒する
まずはケージの置き場を確認しましょう。風通しがやたらよい場所だったりしませんか?すきま風が入ってこない場所を選びます。
そして床から伝わってくる冷えを防ぐために、ケージと床の間にウレタンマットなどの断熱材を敷いておきましょう。
さらに厚手の毛布などをケージにかけてあげます。ただし全面を覆ってはいけません。上面、背面、左右面を覆うようにして、必ず前面は空けておきます。
いよいよ寒さが厳しくなればウサギ用のヒーターを設置しましょう。ヒーターをケージの中に敷いてウサギが上に載るようにしている人がいますが、これはダメ。低温やけどをおこしたり、毛が抜けたりします。
ケージの前面に引っ掛けるようにして設置しましょう。寒い時には自然とウサギが寄って行きます。
その際、ヒーターがケージに掛けている毛布に触れないように。火災予防のためです。
ケージの中には牧草やワラなどの潜って温まることができるものを入れておきましょう。マットを敷いても良いですが、かじられることもあります。
小動物ヒーターのオススメアイテム
111:ウサギの寒さ対策 生活編
ケージまわりを対策しても、ウサギそのものが元気でなければ何の意味もありません。
まずは丈夫な皮膚をつくることが大事です。丈夫な皮膚は毛並みを良くし、抜け毛を防いでくれます。健康であることで結果的に寒さに強くなるわけです。
空気が乾燥すると皮膚もかさついて弱くなります。冬季、寒いからとエアコンをつけるのは寒さ対策には有効ですが、同時に加湿器も併用するようにしましょう。
あとは、ミネラルなど栄養バランスのよい食事と、適度な運動です。人間と同じですね。
112:ハムスターは寒さに弱い
ちっちゃなハムスターにとって冬の厳しい寒さは体力を奪うもと。あまりに冷え込むと疑似冬眠してしまいます。
本来、野生のハムスターでさえ、冬眠するのはごくわずかな期間です。自然界よりも環境が良い屋内で疑似冬眠するということは、ハムスターにとってよほど寒いという証。
個体差はありますが、18度を下回る環境なら寒さ対策を施します。
そして15度を下回る場合は追加で対策をする、という二段構えでハムスターを寒さから守りましょう。
113:室温18度以下のハムスターの寒さ対策
室温が18度を切ったら、ケージまわりから対策していきましょう。
ウサギの対策と同様に、すきま風のない場所に設置したケージの下に断熱のためのマットを敷き、毛布などをケージにかけてあげます。
もっとも重要なことは、巣の中でぬくぬくと過ごせるようにすること。
床材をたっぷり、巣材も多めに入れてあげます。巣材に綿を使う人がいますが、爪を傷つけたり、誤飲したりすることもありますので、やめておきましょう。
巣材として一番良いのは新聞紙をちぎったもの。ティッシュでも良いですが、事故例も報告されています。
なお、衣装ケースや水槽を利用して飼っている場合、上部が開いているので、毛布を掛けた場合にいつの間にかたるんでしまうことがあります。たるんだ毛布をよじ登ってハムスターが脱走することもありますので、要注意です。
114:室温15度以下のハムスターの寒さ対策
室温が15度を切るようになれば、暖房を使用します。室温全体を上げてやるのが一番良いのですが、留守時に暖房点けっぱなしというのは不経済ですし、なにより火災の心配もあります。
ケージで飼っている場合はペット用のヒーターをケージの下に設置します。設置の際はケージ全体ではなく、多くとも半分くらいの面積をカバーできる程度にしておきます。暑いと感じたハムスターの逃げ場を作るためです。
衣裳ケースを使用している場合はヒーターの熱でケースが溶ける事故がありますので、人間向けのソフトあんかを使用するなどしましょう。この場合もハムスターが暑さから逃げることができるスペースを確保することを忘れずに。